世界で目にした残酷なアパレル事情…。ブランドディレクター・赤澤えるさんが、服を通して伝え続けるメッセージとは

仕事観は人生観。そう強く語るのは、厳選されたヴィンテージアイテムを取り揃えたアパレルブランド『LEBECCA boutique(レベッカブティック)』の総合ディレクターを務める赤澤えるさん。彼女がブランドを立ち上げ、服を通して考えを発信し続けるのは、忘れられない原体験があるからなのでした。華々しいファッション業界の裏側に潜む深刻な問題と向き合いながら、仕事を通して自分の人生を強く生きる彼女。その姿から、私たちが学べることは多いはず。21世紀を生きる女性のためのレッスンクラブSHElikesでのご登壇に先立ち、赤澤さんの仕事への向き合い方を伺いました。

1. ファッションを軸にした、多彩なキャリア展開

-赤澤えるさんの現在のお仕事内容と、今に至るまでの経緯を教えてください。

『LEBECCA boutique(レベッカブティック)』というアパレルブランドの総合ディレクターを務めています。
運営元のストライプインターナショナル社では、最初はファッションレンタルサービスのカメラマン・モデルキャスティングの面で携っていました。それから同社のPRディレクターを経て、今の役職に就任しています。

「ヴィンテージの赤いワンピースを買い付けて撮影した日の写真。『LEBECCA boutique』は古着を通して、新しい価値を提案しています。」

-一社の中でも多様な経験を積まれているのですね。現在のお仕事以外では、どのようなキャリアを歩まれてきたのでしょうか。

とあるファッションショー運営会社のWEBメディア編集がキャリアのスタートです。それから女性アパレルブランドのPR(プレス)、VINTAGE SELECT SHOP・アートギャラリーのセールスプロモーターやプランナー、フリーの広告代理業の順に経験し、今の会社で働いています。
ソーシャルライブコマースの番組プロデューサー、同サービスの帯番組メインMCを務めていた時期もありますし、現在もファッションイベントのクリエイティブディレクター、連載執筆などファッションを軸に様々な活動をしています。

-現在も複数のお仕事をされているのですね!時間や体力との闘いとなりそうですが、どのようにバランスをとっているのでしょう。

スケジュールを詰めすぎてしまうところ、興味の幅が広がりすぎてしまうところは悩みですが、なるべく優先順位をつけて取り組むようにしています。
ただ、仕事とプライベートの境をなくした仕事のやり方が私の肌に合っているなと思います。執筆活動にいたっては、文章を書くことや読むことが好きなのでもはや生活の一部。無理せず続けることができています。


2. ブランド立ち上げは想定外の出来事。結果を出して、周りに恩返しをしたい

-多くの女性から熱い支持を受けている『LEBECCA boutique(レベッカブティック)』ですが、立ち上げ当初は迷いや不安はありませんでしたか?

私は「自分のブランドを立ち上げたい」という夢や欲を最初から持っていたわけではなく、誰かが立ち上げるブランドのプレスに就任して全力でサポートしていく未来を思い描いていました。
自分がブランドを立ち上げるなんてまったく想像していない展開だったので、始めるにあたりたくさんの迷いや不安がありました。それは今も尽きませんが、その度に周りの方々の厚いサポートに恵まれ、少しずつですが歩みを止めずに進むことができました。
今までもこれからもその繰り返しだと思います。迷いや不安のレベルや種類は変わってきましたが、一人で乗り越えられたものはひとつもありません。

「2016年3月12日、LEBECCA boutiqueが1周年を迎えた日に、お店で撮った写真です。」

-今、ブランドディレクターとして思い描く一番の夢は何ですか?

ラフォーレ原宿館内で売り上げ1位を記録する日が出てくるなど、今までの積み重ねがようやく数字に表れるようになってきました。2019年は、ブランド創設3周年のタイミング。そろそろ胸を張って大きな記念パーティーを開いて、たくさんの方をお招きしたいです。ちなみに音楽コンテンツもあるような、今までの私たちだけでは開催したことがないレベルのイベントを想像しています。
この夢が叶えられるよう継続して努力し、今後も確実に数字を出していきたいと思います。

3. 世界で目にした残酷な現実。向き合い続けて見えてきた、私の使命

-ブランド立ち上げ後、ご自身に立ちはだかった壁はありましたか?また、それをどのように乗り越えたのか教えてください。

最大の壁を感じたのは、はじめてのアメリカバイイングの際、服が有り余っている現状を目の当たりにした時です。今も乗り越えられたかどうか、定かではありません。乗り越えることも、壊すこともできるかはわかりませんが、今はその壁を低くしたり、横に道をつくるような取り組みをしています。
世界の問題や現実を精一杯受け止め、自分の環境に持ち帰る。そしてできるだけ闘って、寄り添う。こんなちっぽけな自分にでもできることを少しでも考え続け、実行に移し続けることが今までもこれからも大切だと考えています。

「『底なしの服服服。』私が今までより多くの人に知られるきっかけとなった投稿の写真です。」

-世界規模の大きな問題であればあるほど、自分ゴトとして捉え行動することは難しいと思います。そんな中、「はじめの一歩」を踏み出している姿が本当にかっこいいです。この一件を通じて、ご自身の考え方や周囲にどのような変化がありましたか?

服についてより深く考えるようになったことで、自分の考えや思いと積極的に向き合えるようになりました。自分は本当はどう感じ、何を考えているのか。広告や周囲の声に惑わされることなく向き合い続けることは簡単ではないですが、だからこそ、自分の考えを言葉にして発信しつづけたいです。
私が発信した言葉によって、人の価値観や人生観に影響を与えることになった経験が何度かあります。この仕事をするまで、なかったことです。自分も周囲も、大きく変わっているのを日々感じています。

-自分と向き合い続けたことで見えてきた、"人生のミッション"はありますか?

私のミッションは、服をゴミとして扱う人や、その行動・思考を少しでも減らすこと。
今の仕事のすべてが、それに対する取り組みです。

「アメリカで買い付けに奔走しているとき」

4. あなたにとって、楽しくして仕方がない仕事を選択しよう

-自分の目で見て、感じたことから発せられる赤澤さんの言葉は、真に迫る力強さがあります。赤澤さんにとって、人生とは何でしょうか。

人生とは何か、それは私にはまだわかりません。
でも人生観こそが人生そのものだと思っています。その人生観に大きく影響するのが、仕事観だとも感じます。
過去に、人生において仕事は「死ぬまでの暇つぶし」と言った上司がいました。それは「どうせ終わる。退屈でもこれがないと暇。」と、無意味に思えるものを容認する発言でした。
今の私なら「どうせなら楽しくて仕方がないものを選びたい、選ぶべきだ」と思います。暇つぶしまで退屈なんて、そんなの最低じゃないですか。

-多くの時間を仕事に費やすものだからこそ、人生観に繋がっていくのかもしれませんね。仕事を楽しむにはどのような姿勢でいることが重要だと思いますか?

楽しくて仕方がない仕事って何でしょう。それは「自分にしかできない」「自分が一番できる」と思える仕事ではないでしょうか。誰にでもできる仕事なんて、誰にでも取られます。それは仕事ではなく、作業だからです。そんなこと、あなたがやらなくていいのです。
もし「とりあえず3年」と思う人がいたら、今日は一度考えてみてください。とりあえず…なんて言ってしまえることに時間をつぎ込んでいる場合ではありません。石の上にも三年なんて考えはもう過去のもの。石が合わなければ変えたって良いのです。どんな石でも、色や形がおかしくても、それが別に石じゃなくても、あなたが選べば何でもいいのです。自分が選ばなければ誰も選んでくれませんし、じっとしていても何も起こりません。誰かがどうにかしてくれるなんて、どうにかしてくれた先でまたどうにもならなくなるはず。自分の人生くらい、自分で楽しくしていきましょう!

-赤澤さん、インタビューにお答えいただきありがとうございました。


▷赤澤さんのレッスン情報

そんな赤澤さんがSHElikesのレッスンにご登壇されます!
SHElikesのサイトからご予約が可能ですので、ご興味ある方は是非サイトをご確認下さい。

レッスン名:「ブランドディレクターが教える、フリーターでもラフォーレにお店を出せた理由と裏側

開催日時:2018年3月24日(土)17:00〜19:00

開催場所:SHElikes 表参道教室(※表参道駅から徒歩5分の場所です)

お申し込みはこちら


▷編集後記

赤澤えるさんがアパレルブランドを立ち上げ、続ける理由。それは、キラキラしたアパレルのイメージとはほど遠い、悲しい現実と向き合った末の使命感から生まれたものでした。私たちが仕事を選ぶとき、「自分に合っている職務内容か」「他人から見て羨ましい仕事か」など、自分や半径5メートル以内の他人からみた世界の中で判断していることがほとんどではないでしょうか。もちろん、自分が納得しているかどうかが大切です。ただ、自分という存在を超越した、「大きくて超えられない。でもどうにかしたい何か」を見つけたとき、人はとても強くなれるのではないか。そんな気づきを得たインタビューでした。
SHEshares編集部 hana

赤澤 える(あかざわ・える)

LEBECCA boutiqueブランド総合ディレクターをはじめ、ファッションやPRなど様々な分野でフリーランサーとしてマルチに活動。特にエシカルファッションに強い興味・関心を寄せ、自分なりの解釈を織り交ぜたアプローチを続けており、その執筆でも高い評価を得る。
2018年の活動としては、「思い出の服」をドレスコードとして新しいファッションカルチャーを発信する、世界初の服フェス『instant GALA(インスタント・ガラ)』のクリエイティブディレクターに就任。
また、自ブランドのサンプル等を乗せたキャンピングカーで47都道府県を巡る「日本一周 試着の旅(仮題)」を2018春より開始予定。

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