「人生最大のリスクは、自分の『好き』を諦めること。」フリーランスの漢方薬剤師が見つけた、後悔しない人生の切り拓き方

現在、フリーランスの漢方薬剤師として活躍中の森田博美(もりた・ひろみ)さん。勤めていた美容クリニックで培った経験と漢方の知識を活かし、女性の妊活サポート、生理痛やPMSの改善を中心にカウンセリングを行っていらっしゃいます。漢方薬剤師として独立するまではライターや通訳、イベント企画など幅広い分野でチャレンジを繰り返し、そのすべてを「今」に繋げてきた森田さん。そんな彼女が考える、後悔しない人生の切り拓き方とは。21世紀を生きる女性のためのレッスンクラブSHElikesでのご登壇に先立ち、彼女のこれまでの人生をお届けします。

1.薬剤師の枠を越え、模索し続けた独立までの道のり

ー現在漢方薬剤師としてどのような仕事をされているのか教えてください。

女性の妊活、生理不順やPMS(月経前症候群)に関するカウンセリングと漢方の選定をおこなっています。フリーランスとして漢方薬剤師をやっているので、どこかの漢方薬局に所属しているわけではありません。場所や時間にとらわれず、依頼が来たら個別にカウンセリングするという仕事のスタイルですね。

ーもともと薬剤師としてお勤めされていた経験はあるのでしょうか?

大学を卒業した後、調剤薬局に勤めていました。でもそこでは将来が描けないというか…。正直なところあまりワクワクする仕事ではなかったんですよね。新卒4ヶ月間だけ調剤薬局で働いて、「薬剤師という職能を活かして美容の分野で活躍したい」という理由で美容クリニックに転職しました。たまたまその美容クリニックは漢方を通じて美肌やダイエットを目指す」というコンセプトでした。そこで漢方を勉強していくうちにどんどん面白いと思いはじめて。それが漢方との出会いです。この美容クリニックで4年間働いて、2017年の1月に独立しました。

ー現在フリーランスとして活躍されているとのことですが、どのように仕事の幅を広げてきたのですか?

美容クリニックに勤めて2年目から、本業以外の仕事をやってみようと思ったんです。考えた結果、ライターを職業として選択しました。いくつかのweb媒体で薬剤師のライターとして漢方や美容、健康にまつわる記事を書いていくうちに、仕事をいただけるようになりました。
そのタイミングでライターを選択した理由は、知識のアウトプットとブランディングのためです。自分が学んだことをアウトプットすることで知識を深めたかったのと、学生の頃から「どこにも所属せず、独立して働く」ことを目標としていて、Googleで『漢方薬剤師』や『薬剤師』と検索したときに、自分の名前が上位に出てくるようにしたいと思ってwebライターを選択しました。

「Macを使用してライター業をされているそう。」

ー独立の夢を叶える第一歩として、ライター経験を積まれたのですね。目指していたロールモデルはいましたか?

薬剤師でフリーランスという人はほとんどいないので、ロールモデルはいませんでした。女性経営者で「ステキだな。」と思う人はいても、薬剤師で目指したい働き方をしている人は1人もいませんでした。独立したいという気持ちはあったのですが、どうやって独立するか、どの分野で働くかというのは全然決まってなかったんです。泥臭く、手探りで模索しつづけていました。
だから、そこがすごく苦労したポイントでした。ロールモデルがいればその人の行動を参考にできたのですが、見つけられなかったので様々なことにチャレンジしました。たとえばライター以外にも、ミスコン出場や通訳、ジュエリーやファッションのイベント企画まで行いました。一見関係がないように見えるんですけど、振り返ると全部つながっていて「無駄なことって本当にひとつもないんだな」と思っています。
最近は「どうやってフリーランスになるんですか?」とか「どうやったら薬剤師で美容を活かして仕事できるんですか?」という質問を多くいただくので、薬剤師のキャリアを考える、漢方で働くためのセミナーを開催しています。セミナーでは以前の私が欲しかった情報を提供できるようにしています。これからフリーランスでやっていこうと考えている人たちが、私のように遠回りしなくてもいいように道筋を作りたいんです。

2.専業主婦願望から、独立志向へ。大学時代の大きな転機

ー大学生の頃から独立したいという気持ちを持っていたとお伺いしましたが、独立を志した経緯を教えてください。

高校生まではすごく省エネな人間だったんです。学校の授業もつまらないし、一時は「大学行かなくてもいいかな」と思っていたくらいでした。
母が専業主婦だったこともあって、私も当時は専業主婦を目指していました。あるとき新聞の求人広告に『薬剤師 時給3000円/1日2時間〜/週3OK』と書いてあるのを見つけて、これだったら働いた後にのんびり家事育児やって専業主婦できそうだと思って大学では薬学部を選びました(笑)。それくらい最初はモチベーションの低い動機で薬剤師を目指し、勉強していました。将来頑張らないために、今頑張るという発想でした。

ー意外です!専業主婦から独立を目指すことになったキッカケはあったのですか?

転機は大学5年生のとき、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)への留学プログラムに応募したことです。当時はじめて薬学部生が病院実習に参加できるプログラムができたのですが、募集枠はたった1人。そんな中でピンときて、「呼ばれている、行かなきゃ!」と応募しました。
また、私が大学5年生の年は2011年、東日本大震災の年なんですよね。震災後のライフライン障害の影響で、宮城に住んでいた父方の祖母が体調を崩し、亡くなってしまいました。不幸は立て続けに起こるもので、同じ時期に山形に住む母方の祖父母も亡くなってしまって…。
震災で家族を亡くした辛い心境の中、大学の病院実習に集中できず、その時の評価は最悪でした。まさに人生のどん底期だったのですが、そこから「絶対に見返してやる!」という気持ちが芽生えて留学プログラムに応募し、選考を通過することができました。

「当時のことを振り返りながらお話する森田さん」

ーまわりの環境やご自身の気持ちに変化があった象徴的な年だったんですね。留学先の病院での生活はいかがでしたか?

所属していた大学では、私がUCLAに留学する初めての薬学生でした。そのためプログラムが一切組まれていませんでした。留学先の大学病院では、担当してくださった日本人の医師に「好きなことをなんでも何やっていいよ。ただし、自己責任で。」と言われたんです。だからありとあらゆる人に「私は日本からきた薬学生で、この病院の仕組みを教えてほしい。なんでも勉強したい。」と伝えて、手術を見学させてもらったり、UCLAの薬剤師を紹介してもらったりして、自分でどんどん人脈を広げていきました。ここで実際にUCLAの医師や薬剤師たちに会うことができたのは、私にとって大きな出来事だったと思います。また病院自体もLA在住の富裕層がくるような場所だったので、世界トップレベルの医師や医療機器が揃った環境で、たくさんの貴重な経験をさせていただきました。

3.人生観を変えた、UCLAの医師たちとの出会い

ーUCLAで世界トップレベルの医師たちと行動をともにされた中で、ご自身の働き方や考え方に影響を受けたことはありますか?

UCLAの医師たちは自分の仕事に大きな誇りをもっていて、本当に楽しそうに仕事をしていたんですよね。学生時代まで私は「仕事=辛くてつまらないもの」というイメージをもっていたんですけど、彼らに出会ってからは「自分がやっている仕事に誇りややりがいをもって輝くことができるんだ。」ということが分かって、衝撃を受けました。
もう1つ驚いたのは、仕事だけでなくプライベートも充実していること。さっきまで真剣に手術をしていたのに、仕事が終わって白衣を脱いだ瞬間にハリウッドに遊びにいくみたいな(笑)。その切替えがかっこよかったんですよね。「仕事もプライベートもバランス良く」という姿勢が、今の私の土台になっていると思います。

4.やりたいことは全てやり、世界に貢献したい

ー最後に、今森田さんが大切にしていること、今後挑戦したいことを教えてください!

私が大切にしているのは、「好きなことは全部やる」、「やりたいことは全部やる」こと。
震災の年は家族が亡くなって、人が死ぬということをリアルに感じた年でした。その時から自分が明日突然死ぬとしたら、何をやりたいかって真剣に考えるようになって。私は、好きなことや、やりたいことをできずに人生を終えてしまうことが一番後悔すると思うんです。
よく「行動力があるけどリスクは考えないんですか?」と聞かれることが多いんですけど、私の中で最大のリスクは好きなことをやらないこと。むしろ、何も行動しないことの方がリスクだと思っています。

「SHElikes表参道教室にて撮影」

そして、今一番やりたいと思っていることは、日本の漢方の文化を世界に持っていくこと。
漢方の「自分の体を知る」という考え方や、「自然と調和する」という概念って、日本だけでなく世界中の人が必要としていることだと思っています。漢方の文化を持っていくことでその国や地域に社会貢献するとともに、日本の素晴らしい文化も紹介することで日本の社会にも貢献していきたいです。


▷森田さんのレッスン情報

そんな森田さんがSHElikesのレッスンにご登壇されます!

SHElikesのサイトからご予約が可能ですので、ご興味ある方は是非サイトをご確認下さい。

レッスン名:「20代のうちに知っておきたい、女性の体との付き合い方

開催日時:2017年9月9日(土) 13:00~15:00

開催場所:SHElikes 表参道教室(※表参道駅から徒歩5分の場所です)

申し込みはこちら:http://she-works.jp/likes/?utm_source=owndmedia&utm_campaign=interview&utm_content=20170906_001


▷編集後記

力強く、ときに大胆に自分の人生を進む森田さん。その姿を拝見して、一歩前に踏み出す勇気をいただきました。まずは自分の『好き』に気づいて、少しずつ行動にうつしていくことが大事なのではないでしょうか。

SHEshares編集部 花田

森田博美(もりた・ひろみ)

漢方薬剤師。
都内の美容クリニックで漢方薬剤師として勤務した経験を活かし、セミナー、執筆、カウンセリング等を通じて女性の健康と美容に携わっている。現在はウィメンズ漢方にて、妊活女性に対するカウンセラーとしても活躍中。インスタグラムや各種ウェブ媒体では、薬剤師の視点から美容やインナービューティーについて発信を行う。ミスグランドジャパンに出場した経験を活かし、女性の健康的な美しさについてのアドバイスを行っている

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